8月 2014Monthly Archives

Special(新平)

待ち合わせ時間より早く着いてしまった。そうかといって、どこかで暇を潰すほどの時間はない。まあいいか、と平次が思った時だった。
「服部。」
どうやら新一も早めに着いたらしい。声が聞こえた方を平次が向く。
「あっ、工藤……って、快斗か。」
姿形は新一とそっくり。同じと言ってもいいくらいだ。恐らく快斗は新一に変装してきたつもりだろう。
「一目でばれた?上手く出来たと思ったのに。」
「わかるやろう。何せ工藤は……」
平次が快斗に違いを教えてやろうとした時。
「よう、服部。」
新一がやって来た。
「ああ、そういうことね。」
平次を目にした新一の笑顔を見て、快斗はすぐに納得する。
「そういうことや。」
平次は快斗にそう応えると、新一に笑顔を返した。
「確かにあれは俺には真似できない。」
快斗は髪をくしゃくしゃと掻き、普段の自分の髪型に戻した。