8月 2012Monthly Archives

反応(新平)

風呂上がり。首にかけたタオルで髪をガシガシと拭きながら、冷蔵庫からよく冷えた缶ビールを取り出す。片手でカシュッと良い音を立てて開けると、ゴクゴクとビールを飲み込む。
「くーっ。」
顔を綻ばせながら、思わず平次は声を上げる。
「おまえ、おっさんくさいぞ。」
苦笑いを出しながら、新一が平次に近づく。
「美味いんやから、しかたないやろう。」
平次が更に一口飲む。
新一は、平次の口から缶が離れるとすぐにキスをした。
突然の新一からのキスに、平次が顔を真っ赤に染める。
「その反応は乙女っぽいんだけどな。」
「アホなこと言うな。」
平次が手の甲で唇を拭う。
「ベッドの上だと、もっといい反応見せてくれるよな。」
新一が平次の腕を掴む。
「工藤の反応、エロおやじや。」
「いい男って言えよ。」
誘いかけるような視線から平次は何とか逃れると、リビングのソファに座り、テレビで野球中継を見ながら、ビールを飲み続けた。