9月 2011Monthly Archives

赤い糸(米英)

会議の休憩時間、気が付けばイギリスはロビーのソファーに座り、眠っていた。
アメリカが隣に腰を下ろし、イギリスの寝顔を眺めていた。
「夢を見た。赤い糸を手繰り寄せていた。でもいくら引いても、赤い糸は続いていた。」
目を覚ましたイギリスが、突然そんなことを言い出した。
「その糸の先に俺は居たのかい?」
まだ寝惚けているらしいイギリスに、アメリカが尋ねる。
「わからん。引いても引いても糸は続いていたから。それでも俺は、引き続けていた。」
そう言うと、イギリスはまた眠りにつこうとする。
「次にその夢を見た時は、その糸、切っちゃいな。そして切った端は、隣に居る俺に結べばいい。でも今はもう夢を見ない方がいいよ。会議が再開される時間だ。起きられないって言うなら、俺が目が覚めるようなキスをしてあげる。」
アメリカがイギリスの肩を抱こうとしたが。素早くイギリスは立ち上がった。
「そんなもんいるか。」
そう言い残し、足早に会議場に戻っていくイギリスに、アメリカも続いた。