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運命(西ロマ)

ベッドで激しく抱き合った後、ロマーノは少しだけ素直に甘えてくる。
胸に顔を摺り寄せてきたロマーノを、スペインが優しく抱き締める。
「おまえさぁ、もし初めにここに来たのが俺じゃなくてイタリアだったら、イタリアのこと好きになってたか?」
「どうやろう。でもそれもありやったかもしれへんな。」
スペインが思いついたことをそのまま応える。だがスペインの言葉はそれだけでは終わらなかった。
「せやけど今こうして俺が抱き締めてるのはロマーノやし。ロマーノのこと、好きや。他の可能性もあったのにこうなったのって、運命感じひん?」
スペインの言葉に、ロマーノが心の中で思う。今更何言ってる、と。
運命なら、出会った時から感じていた。
「明日は俺が朝飯作ってやる。」
本当にそうするかどうかはわからなかったが。ロマーノは今はそうしたい気分になっていた。
「嬉しいけど、ダメや。」
「なんで?」
「一緒に作ろ。」
スペインに笑顔を向けられ、ロマーノは運命以上の何かを感じた。