12月 2010Monthly Archives

have a cold(米英)

風邪を引いた。今日はアメリカが遊びに来るというのに。最悪だ。イギリスはそう思ったが。
或いはチャンスかもしれない。
アメリカが家に来た瞬間、イギリスはアメリカに告げた。
「おまえが好きだ。」
突然のイギリスからの告白に、アメリカが固まる。
次の瞬間、アメリカは大きく驚く。
「どうしたんだい?熱でもあるのかい?」
アメリカがイギリスの額に手を置く。
「熱いじゃないか。君は寝てろ。」
アメリカがイギリスの手を引き、寝室へと向かう。
予想どおりのアメリカの態度に、イギリスは少しだけホッとする。
「何か冷やすもの持ってくるから、君はパジャマに着替えて寝てるんだ。」
そう言うとアメリカはすぐに寝室から出て行こうとしたが。
ドアを開けたところで立ち止まり、イギリスに向かって振り返る。
「さっきの返事だけど。俺も君のことが好きだ。」
それだけ言うと、アメリカは寝室から出て行った。
熱のせいの戯言で流すつもりだったのに。
寝室に残されたイギリスは、熱が更に上がったことを感じた。

smile(ハボロイ)

「おはようございます。」
出勤してきたロイに、ハボックが笑顔を向ける。
「おはよう。」
つられるようにロイも笑顔を出すと、席に着いた。
だが書類の山を目にし、ロイは表情を曇らせる。
ハボックはすぐに席を立つと、ロイにコーヒーを用意した。
「どうぞ。」
ハボックが笑顔でコーヒーを差し出す。
ロイはカップを無言で受け取り、笑顔を向けてくるハボックに視線を向ける。
「君はよく笑うな。」
何かいいことがあったか?そう他愛無い話をしていられるほど、ロイには暇がなかったが。ハボックの笑顔があまりにも楽しげだったので、つい無駄話をしたくなる。
「大佐には笑顔でいてもらいたいんです。大佐の笑顔が見たいなら、俺が笑わなくちゃ。」
そう言いながら、ハボックは更に笑顔を出す。
「おもしろい意見だな。だが私の笑顔は高くつくぞ。」
そう言いながらロイが笑顔を向ける。
その笑顔は、とても魅力的だった。
「おっしゃるとおりで。」
笑顔一つで、ハボックは心の全てをロイに持っていかれたような気がした。