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いい関係(独伊)

イタリアが、慌ただしく部屋の中に入ってきた。
「ドイツーっ、遊ぼう。ねっ、サッカーしよう。」
イタリアの腕にはサッカーボールが握られていた。
「今はまだ仕事中だ。終わったら遊んでやるから、それまで一人で遊んでいろ。ただし、部屋の中でサッカーはするな。外に行け。だが遠くには行くな。」
「わかった。」
ドイツの応えを聞き、イタリアが部屋から出ていく。
「俺も甘くなったな。」
ドイツがそうこぼす。以前なら、うるさいから出て行けとしか言わなかったはずなのに。
しかもイタリアをあまり待たせたくないと考え、仕事のペースを早めてしまっている。
「甘くなったどころではないな。」
好きになった。
それはそれで、まあ悪くない状態だ。